弁護士に聞くペットのトラブル・法律相談/ノーリードの犬を飼い犬が噛んでしまった際

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お役立ち情報TOP >>  犬や猫のニュースと雑学・お役立ち情報:目次 >> 弁護士に聞くペットのトラブル・法律相談_バックナンバー 第 3 話…ノーリード犬を噛んでしまったお話
犬や猫,ペットのニュースと雑学・お役立ち情報:弁護士に聞くペットのトラブル・法律相談_第3話はノーリードの犬を飼い犬が噛んでしまった場合の対処方法編です


相談:散歩中、ノーリードの犬に驚いて飼い犬が噛んでしまった場合の
     対処方法を教えてください。

私がリードをして犬(中型犬)の散歩をしていたところ、角を曲がった
直後に出くわしたノーリードの小型犬に驚き、私の犬が襲ってしまい
ました。

私も出会いがしらであったこともあり小型犬を引き離すのが遅れて
しまいましたが、その
ノーリードの飼い主は後方にいる状況でした。
ノーリードで公園で遊ばせる飼い主への注意方法

噛んだというよりは牙が当たった様子でしたが、いずれにしてもノーリードの犬の後頭部あたりに血がにじむよう
に出血してしまい、それを見たノーリードの飼い主は「うちの大人しい犬になんてことをするんだ!!」と、
一方的にまくしたててきました。

もちろん怪我をさせてしまっているので治療費は私が払うつもりですが、納得のいかない点があります。
  ・そもそもノーリードで散歩をさせてたことに落ち度はないのか?
  ・こちらの犬が一方的に襲ったわけではなく、出会いがしらに驚いて2匹同時に興奮している点
   (大人しいという主張と異なる)

この様な状況でも100%私の落ち度なのでしょうか?
これが裁判となった際、一般的にはどの様な判決になるのでしょうか?
ノーリードの飼い主側にも責任を問わないと、同じことを起こすのではないかと思っています。




回答:ペットの種類や性質に応じた注意を払っていれば、賠償責任を
     負わないこととなります。

民法第718条は、
「物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、動物の種類及び
性質に従い相当の注意をもってその管理をしたときは、この限りでない。」と定めています。

したがって、ペットの種類や性質に応じた注意(以下「過失」といいます)を払っていれば、
たとえペットが他人に損害を与えたとしても賠償責任を負わないこととなります。

今回の場合、過失があったかどうかは、ペットの種類、曲がり角の状況(通行人が多いかどうか等)、
ペットをどの程度自分より先行させていたか等によって総合的に判断されると思われます。

ただ、ペットは人間よりも行動が読みにくいということからすれば、過失がないと判断されるケースは、
かなり例外的な場面に限られると思います。

過失があった場合は、その過失があると通常発生してもおかしくないと思われる損害について
のみ賠償する責任が発生しますが、今回の場合は、治療費がそれにあたると思います。

なお、法律の世界では「過失相殺」という考えがあり、被害者にも過失があった場合は、
加害者と被害者の過失の割合に応じて、賠償責任が減らされることがあります。

今回の場合、相手がリードをつけていれば、犬同士が興奮をした際に、相手もリードを引っ張って
被害の発生を避けられたかもしれません。

そう判断されるようなケースであれば、治療費全額ではなく、相手の過失の割合分だけ減額した
金額のみ賠償すればよいということになるでしょう。



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